本日の国連ハビタット福岡本部設立20周年イベント、パネリストとして無事登壇しました。記念に、クロス事務局長とのツーショット。ちなみにクロスさんのネクタイは、福岡市長から贈られた博多織のネクタイだとか。
さて、今回のテーマは「持続可能なまちづくり」でした。ドローン起業家としての私の論点は、新技術を使ってどのように防災・減災を実現し、サステイナブルな社会を作るか、という切り口でした。気候変動の激しい昨今、災害がもたらす破壊はサスティナビリティを揺るがす脅威そのものです。
そこで朝倉被災地空撮の件をとりあげました。確かに最初のフェーズでは状況把握にドローンが活躍しました。しかし、その後の捜索、物資輸送、堆積物の除去などではまだまだドローン活用は望めません。
後者を実現する技術はあるのですが、実証・サービス開発をするための広さのフィールドが無かったり、法律が厳しいため実用が不可能なのです。日本は地震、津波、洪水など災害大国なので、一刻も早いドローンテクノロジーの有効活用が望まれているにも関わらずです。
一つの解決策として、都市部と地域による技術や事業開発連携が考えられます。都市部で生まれたソリューションを、地域で実証実験します。その結果、事業化は進み、地域経済も活性化しWin-win な関係が生まれるのです。
二つ目は「広域の公助・互助連携」です。人口減少化の今の日本で、一度地域が被災してしまうと、その復活には多大なる時間と資源が必要になるのは、東北の例を見ての通りです。高齢化と過疎化か両方進んだ田舎では、そのまま無人地域になるリスクも高いでしょう。
そうならないための防災テクノロジー、そして一度災害が起こったらその被害を最小に抑える減災対策が重要です。これを実現するためには、福岡市が取り組むWith the Kyushuのような、地域を丸ごと巻き込んだ広域連携コミュニティが必須です。
福岡や九州から生まれたモデルが世界に羽ばたくことを夢見ます。クロスさんの言葉を借りると、日本は高齢化社会のフロントで未来を切り開くファイターなのです。世界で最も早く超高齢化社会を迎える「我々」が生み出すソリューションは貴重です。
ハビタットアジアの本部が東京では無く、福岡にあるという強みを念頭に置きたい。そして、今後は自社のビジネスや地域課題だけに囚われるのではなく、世界の潮流を捉えながら、数十年の長期スパンで物事を考えたいと、決意しました。