2022年12月より、ドローン操縦の免許制がスタートすることになり、物流・点検をはじめとした、社会インフラへの導入が現実的になってきました。
同時によく聞くようになったのが「レベル4飛行」というキーワードです。
今後、「レベル4飛行」になると、どうなるのでしょうか。
今回はドローンの「レベル4飛行」が、どのような影響を与えるのかを解説していきます。
そもそも「飛行レベル」とは?
飛行レベルとは、「人口密度や機体レベルを元に作られた、ドローンを飛行させる上での判断の区切り」のことをいいます。
2016年4月に官民協議会が発表した「小型無人機の利活用と技術開発のロードマップ」にて下記のように分類されています。
レベル1:目視内での操縦飛行
レベル2:目視内飛行(自動/自立飛行)
レベル3:無人地帯における目視外飛行
レベル4:有人地帯における目視外飛行
現在は、レベル3までが実現されています。
レベル3の概要
では、「レベル3」ではどのようなことが可能なのでしょうか。
現在、施行されているレベル3では、「無人地帯における目視外飛行が可能」とされています。
具体的には、離島や山間部など交通の便が悪い地域への荷物配送や、災害時の状況確認、長大なパイプラインなどのインフラ点検や河川測量などが、レベル3で期待されるドローンの活用例です。
また、物流分野においては、現在の規制では都市部において飛行の許可がおりないため、無人エリアを使用した実証実験が行われています。
こういった事例も、このレベル3の規制の中で行われています。
レベル4飛行解禁で可能になること(特に物流)
では、レベル4飛行が解禁されると、どのようなことがおきるのでしょうか。
レベル4飛行が解禁されると、自衛隊や大使館上空など一部例外エリアはありますが、日本のほぼ全域で補助者なしでの自律的な目視外飛行が可能となります。
特に大きなインパクトが期待されているのが物流業界です。
例えば、宅配便の配送であれば、現在は最寄りの営業所に荷物が集まり、そこから各トラックに仕分けされドライバーが各世帯を回っていますが、レベル4が一般的になり、ドローン物流の社会実装が進むことで、営業所から自宅までの配送自動化が期待できます。
その結果、宅配業者はトラックの維持費、ガソリンなどの燃料代のコスト削減、ドライバー不足などの諸問題も解決されます。
また、トラックから排出される温室効果ガスの軽減、路上駐車による交通渋滞が改善されるなどの効果も期待されます。
ドローンのレベル4飛行を可能にすることで、物流業界をはじめとした様々な業種、職種でイノベーションが促進され、将来的な労働力不足の解消や、新たなビジネスチャンスによる経済の活性化も期待されます。
いつ解禁予定なのか
レベル4飛行はいつ解禁されるのでしょうか。
2021年6月に航空法の改正案が公布され、2022年12月を目途にレベル4飛行解禁が予定されています。
しかし、レベル4飛行を行うためには、必要なことがいくつかあります。
レベル4飛行に必要なこと
操縦ライセンス制度
レベル4移行に伴い、決定しているのがドローンの完全免許制です。
これまでは、ドローンの関連資格として民間の資格がありましたが、自動車免許のようにドローンを操縦するための必須の資格ではありませんでした。
しかし、レベル4飛行にあたる「有人地帯での目視外飛行」を行うためには、国交省が認定する操縦ライセンスの一等資格を取得しなければなりません。
一等資格取得は学科試験と実地試験、身体検査が必要です。
学科試験はCBT方式を採用予定で、すでに民間資格を取得済の場合、保有している資格の種類によっては講習の一部が免除される場合もあります。
機体認証
レベル4飛行を実現するもう一つの条件として、機体認証制度があります。
自動車の車検のようなもので、レベル4飛行を行う際には、第一種機体認証を受けなければなりません。
ドローン本体ごとに設計や製造過程などを検査する項目があり、国が主体となり、指定された登録検査機関と検査を行う予定です。
運航ルールの拡充
その他、重さ100グラム以上の機体を対象に、所有者は氏名、住所、機体情報を国に届け出て、機体に登録番号を表示することも必要になっています。
レベル4飛行が解禁になり、飛行有人地帯での上空飛行になると、これまで以上に厳格な安全性の確保が必要です。
飛行レベル4を実現するために、新しい仕組みや制度の整備も日々拡充されています。
今回は、レベル4飛行について解説してきました。
今後、大きな展開が期待されるレベル4飛行ですが、何をどう学ぶか判断しづらい点もあるかと思います。
トルビズオンでは、ドローン資格取得からドローンビジネスコンサルティングまで、さまざまなご相談を受け付けております。お気軽にお問合せください。
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