上空シェアリングsora:share(ソラシェア)を運営しています、トルビズオン代表の増本です。
ドローンの性能は上がり、関連する法制度も整えられ、その有用性や認知度が上がるとともに社会実装が進み、2020年代はドローン自動運航の時代と言われています。コロナ禍において、自動・非接触型のモビリティであるドローンのニーズは、ますます広がっていくことでしょう。
そんな中、空撮や点検のように年に数回の頻度の低いオペレーションだけでなく、物流や監視分野のように、日常的に、かつ多頻度、高密度にドローンが空を飛ぶ利活用が進めば、何百、何千のドローンが空を飛び交うようになるでしょう。このような時代に、地上に住む人々の安心・安全は、どのように担保されるのでしょうか?
ドローンが飛行する「空の道」直下の人々は、墜落による人身事故・器物損壊・火災などの物理的リスクや、騒音・威圧感・プライバシー侵害などの精神的リスクを抱えることになります。
土地所有権が問題に
今まで、空を利用するドローン事業者が、航路直下の地権者や生活者に対してその外部不経済を補う仕組みはありませんでした。また、上空を利用される者にとっては、その代償や保証を受け取る仕組みもありませんでした。それを可能とするのが、sora:shareという仕組みです。
注目すべきは2020年12月25日の無人航空機飛行マニュアルの改訂および、2021年6月28日の内閣官房による通達です。これらの通達によれば、国がドローンの飛行許可を行うにあたり、ドローンの飛行経路直下の私有地管理者との調整が必須でないことが明確になりました。
今までは、航空法により人口集中エリアや第三者との30m以上の距離を保てない飛行に関して国の許可を取得する際に、地権者との調整が必要でした。そのため、私有地上空での無闇なドローン飛行を規制する力が働いていました。
これが必須でなくなると、何が起こるのでしょうか?
ドローンユーザが、なし崩し的に空を自由に飛行し始める可能性があります。
民法第207条には「土地の所有権は、法令の制限内において、その土地の上下に及ぶ」と記載されていますが、ドローン空路に関しての法的整理はこちらにまとめられているように、まだ未解決の部分を残します。
そこで弊社ではリンク先本文中にもございますように、「民間企業や自治体等が、第三者的な立場から、無人航空機の運航者と地域の間に立って、これらの取組を行うことは、一定の意義がある」という、同役割を担うべくsora:share事業を継続して参ります。
sora:share(ソラシェア)の役割
我々が開発したソラシェアを使えば、地権者は自分が所有する土地の上空をスカイドメイン®︎(空の住所)としてソラシェアに登録することにより、地上に住む人々の理解を明確にすることができます。この空の交通整理がドローン飛行ルート直下の地権者や生活者の安心を担保することに繋がります。
地権者側にとっては、土地を賃貸して事業利用する意思を宣言することにより、遊休地を資産化することができるのです。また登録者は、万一事故が起こった際にもsora:share保険により保証を受けることができます。もちろん、自分の上空を一切飛ばして欲しくない方については、NGスカイドメイン(地権者による飛行理解無し)として登録することにより、その意思を事業者に伝えることが可能です。
一方ドローン事業者側にとっても、ソラシェアを活用することで受けるメリットがあります。国土交通省の通達にも「本改正により飛行マニュアルから上記記載(地権者調整の義務)はなくなりますが、飛行経路下の住民や施設管理者等とのトラブル防止に十分に留意しながら飛行を実施頂きますよう・・・」とあります。
我々は適切な機体の使用、安全なルートの設定、万が一事故が発生した場合の賠償資力の確保など対策を講じ、かつ地域の関係者に丁寧に説明し、理解と協力を得る取組みとしてソラシェア事業を位置付けています。地権者とのトラブルを避けるためにも、自主的な調整やソラシェアの積極的な活用をご検討ください。
我々が目指すのは、短期的なドローン活用の促進ではなく、中長期的にみた「空の産業革命」の成功です。空路の乱開発を避け、地上に住む生活者に優しい、持続可能な空の開発を心がけ、皆様とともに、「安心・安全な空の道」のインフラを整備していきます。
株式会社トルビズオン
代表取締役社長 増本 衛
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